新型コロナウイルス感染症により税金の支払いが困難な方

2020.05.29

お知らせ

新型コロナウイルス感染症により税金の支払いが困難な方は、納税猶予の特例制度の活用を検討しましょう。

 

納税猶予の特例制度とは

新型コロナウイルス感染症の影響による収入が減少している方のために、令和2年2月1日から令和3年1月31日までに納期限が到来する国税について、納税猶予の「特例制度」が創設されました。

申請が必要ですが、適用できれば、1年間の納税猶予を受けることができます。

特例制度の趣旨

本来の「納税の猶予」は、災害等による財産の損失があった場合に利用できる制度です。

また、これと似た制度に「換価の猶予」といって、事業の継続や生活維持が困難なときに、担保の提供などを要件とし、少ない延滞税で納税を猶予してもらう制度があります。

「納税の猶予」や「換価の猶予」は、現在も利用できますが、利用できる場面が限られていたり、延滞税や担保の提供が求められたりします。

今回ご説明する「特例制度」は、新型コロナウイルス感染症による影響を考慮して新設された特例で、同感染症の影響によって収入が一定以上減少した方のために、延滞税や担保の提供なしで納税を1年間猶予するというものです。

 

特例制度の要件

(参考:財務省発表『納税を猶予する「特例制度」』

対象となる方

・新型コロナウイルス感染症等の影響により、令和2年2月以降の任意の期間(1か月以上)において、事業等の収入が前年同期と比較して、概ね 20%以上減少している

・一時に納税することが困難である

・個人事業主(フリーランス含む)、法人のいずれも申請可

・給与所得者(パートやアルバイト含む)も確定申告により納税額があれば、申請可

対象となる税金

・令和2年2月1日から令和3年1月31日までに納期限が到来する国税

<例>

・令和元年分の所得税

・令和元年分の個人事業主の消費税

・3月決算法人であれば、令和2年3月期の法人税や消費税

など

申請期限

次のいずれか遅い日までとなります。

・令和2年6⽉ 30 ⽇

・納期限

すでに納期限が過ぎている国税であっても、令和 2 年6月 30 日までであれば、遡って特例猶予を申請することができます。

「新型コロナウイルス感染症等の影響」とは

「国税の納税の猶予制度FAQ」では、納税者本人やその親族、従業員等が新型コロナウイルス感染症に感染したことによる影響のほか、イベント開催又は外出等の自粛要請、入国制限、賃料の支払猶予要請等の各種措置による影響等によって、収入の減少があった場合を例に挙げています。

あくまで例ですので、個別の事情があれば相談してみましょう。

参考:国税庁「国税の納税の猶予制度FAQ」問20参照

前年同期がない場合

比較する前年同期がなくても、ほかに比較に適した期間があれば、その期間で適用を検討することができます。

これについては、直近1年程度の収入状況がわかる資料を用意して相談するよう呼び掛けています。

参考:国税庁「国税の納税の猶予制度FAQ」問26参照

特例が適用できない場合

たとえば売上の減少率が20%にならないなどの理由で特例の適用ができない方であっても、従来の納税猶予(「換価の猶予」など)が適用される余地はあります。