新型コロナウイルス感染症特別貸付について

2020.06.12

お知らせ

 

日本政策金融公庫の新型コロナウイルス感染症特別貸付について、融資対象者、限度額、貸付期間、利率、特別利子補給制度の適用などについて解説します。

 

新型コロナウイルス感染症特別貸付の要件

 

【融資対象者】

次のAかBのいずれか一方にあてはまる方が融資対象になります。

 

A:最近1ヵ月の売上高が前年または前々年の同期と比較して5%以上減少している事業者

 

B:業歴3ヵ月以上11ヵ月未満の場合は、最近1か月の売上高が下記のいずれかの売上高と比較して5%減少している事業者

・過去3ヶ月(最近1ヶ月を含む。)の平均売上高

・令和元年12月の売上高

・令和元年10月~12月の平均売上高

なお、Bの要件は、Aの期間で比較することが適切でない事業者も利用できる可能性があります。

日本政策金融公庫による「新型コロナウイルス感染症特別貸付等に関するQ&A」(以下、「Q&A」)では、Bの対象になる例として、以下の事業者も対象になる可能性があることが示されています。

【Bの対象となるケース】

・最近店舗が増えた事業者

・合併や業種の転換を行った事業者

・ベンチャー・スタートアップ企業のように、短期間に売上増加に直結する設備投資や雇用拡大を行った事業者 など

あくまで例ですので、同様の状況があれば相談してみましょう。

 

参考:「Q&A」<ご利用いただける方について>

https://www.jfc.go.jp/n/finance/saftynet/pdf/covid_19_faq_chusho.pdf

 

 

【融資限度額】

既存の融資の残高にかかわらず、別枠で、下記の限度額が設けられています。

・国民生活事業 : 6,000万円

・中小企業事業 : 3億円

国民生活事業と中小企業事業とは、日本政策金融公庫が行う貸付事業の名称です。

国民生活事業は、個人事業主や小規模な企業向けの小口融資、中小企業事業は、中小企業向けの融資となっています。

 

【融資の用途】

運転資金、設備資金

 

【担保】

無担保となります。

 

【貸付期間】

運転資金15年以内(据置期間5年以内)

設備資金20年以内(据置期間5年以内)

据置期間とは、元金の返済をしなくてもよい期間のことです。

 

新型コロナウイルス感染症特別貸付の利子について

 

新型コロナウイルス感染症特別貸付の利子は、日本政策金融公庫の「基準利率」が適用されます。

参考まで、令和2年5月1日現在の基準利率は、下記のように設定されています。

・国民生活事業 年1.36~1.65%

・中小企業事業 年1.11%(貸付期間に応じて変化します)

上記はあくまで融資の申し込みを検討する際の目安とし、最新のものは、日本政策金融公庫に確認してください。

 

当初3年間は-0.9%

 

借入後の当初3年間は、国民生活事業は3,000万円(※)、中小企業事業は1億円を限度に、年0.9%の利息の引き下げが行われます。

基準利率が、国民生活事業で年1.36%であれば年0.46%に、中小企業事業で年1.11%であれば年0.21%になるということです。

4年目からは基準利率になります。

(※)「新型コロナウイルス対策マル経融資」、「生活衛生新型コロナウイルス感染症特別貸付」および「新型コロナウイルス対策衛経」との合計で3,000万円

 

日本政策金融公庫HP:国民生活事業(主要利率一覧表)

https://www.jfc.go.jp/n/rate/index.html#m04

日本政策金融公庫HP:中小企業事業(主要利率一覧表)

https://www.jfc.go.jp/n/rate/base.html

 

 

「特別利子補給制度」とは

 

上記のとおり、新型コロナウイルス感染症特別貸付は当初3年間、低い利率が適用されますが、その間は、さらに「特別利子補給制度」の対象になります。

「特別利子補給制度」とは、新型コロナウイルス感染症関連の一定の融資のうち、特別な要件を満たす事業者が支払う利息について、後に「特別利子補給金」の支払いで利息分の金銭を補給するというものです。

この制度は、まだ確定している制度ではなく「予定」のものとなります。

 

特別利子補給制度の対象

 

当初3年間の利息です。

つまり制度が適用されると、この間は、実質無利子となります。

 

特別利子補給制度の要件

 

新型コロナウイルス感染症特別貸付を受けている事業者のうち、

・小規模事業者(法人):売上高15%以上減少

・中小企業者(個人・法人ともに):売上高20%以上減少

などの要件を満たす事業者です。

上記にあてはまらない個人事業主には、特に要件はありません。

小規模事業者とは、常時使用する従業員が20名以下(卸・小売業、サービス業は5名以下)の企業をいいます。

 

参考:「Q&A」<無利子化・利子補給について>

https://www.jfc.go.jp/n/finance/saftynet/pdf/covid_19_faq_chusho.pdf