工場などの「建物」も対象に!中小企業経営強化税制E類型が新設
2025.09.10
税務トピックス
令和7年度(2025年度)の税制改正で「E類型(経営規模拡大設備)」が新設され従来対象外だった工場などの新設・増設に伴う設備投資も対象となりました!
対象には「取得価額1,000万円以上の建物およびその附属設備」が追加されています。
中小企業経営強化税制とは
中小企業経営強化税制とは、経営力向上計画の認定を受けた中小企業が対象となる税制優遇制度です。対象となる設備は、生産性向上設備や収益力強化設備、経営規模拡大設備など幅広く、設備取得額に応じて即時償却(取得額全額をその年の経費に計上)または最大10%の税額控除を選択できます。この制度を利用するためには、必ず設備取得前に経営力向上計画の認定を受ける必要があり、取得後に申請しても適用は認められません。
受けられる税制措置
即時償却または税額控除が利用可能
指定期間
令和7年4月1日~令和9年3月31日まで
利用できる方
・資本金の額または出資金の額が1億円以下の法人
・資本金または出資金を有しない法人のうち常時使用する従業員数が1,000人以下の法人
・常時使用する従業員数が1,000人以下の個人協同組合 等
※各種類型については中小企業庁ホームページをご確認ください。
新設されたE類型の概要
E類型(経営規模角地設備等)は、令和7年度改正で新設された類型で、
大規模な設備投資による売上拡大や企業規模の拡大を促進することを目的としている。
特に、さらなる成長段階に入り売上高100億円超を視野に事業拡大を計画している企業にとって、飛躍の後押しとなる制度です。
対象設備
・建物およびその附属設備
・取得価額1,000万円以上
・工場、物流施設、事務所なども対象
適用期限
2027年(令和9年)3月31日までに取得し、供用を開始したもの
対象企業
・前期売上高10億円越~90億円未満の法人(個人事業主は対象外)
・売上高100億円を目指す事業計画(ロードマップ)を策定
・投資利益率(年平均)7%以上
・最低投資額:1億円以上または前期売上高の5%以上
税制優遇内容
① 即時償却 または 税額控除
② 賃上げ要件を満たした場合の上乗せ
・給与総額2.5%以上増加
→特別償却15% または 特別控除1%
・給与総額5%以上増加
→特別償却25% または 税額控除2%
★「売上高100億円を目指す宣言」とは?
中小企業が「売上高100億円を超える企業になること」「それに向けたビジョンや取組」を自ら宣言し、ポータルサイト上に公表をするものです。
売上高100億円超を目指す法人は、成長戦略の一手としてE類型の活用をご検討ください!
記事製作:経営革新等支援機関推進協議会