借入金の利息の計算方法とは?シュミレーションでの利息や返済金額の注意点を解説
2025.10.15
税務トピックス
借入を検討する際、金利によって利息がどれくらいかかるのか分かりにくいものです。
実際に借りる前にシュミレーションを行い、計算方法や返済方法を理解しておくことが大切です。
借入金の金利と利息とは
借入金の返済額は「元金+利息」で構成されます。
■ 金利:借入金利に上乗せされる金額の割合
(例) 金利3%なら1年あたり3%が利率
■ 利息:借入金額に上乗せされた金額
(例) 1万円をかりて1万1,000円返済なら利息は1,000円(=金利10%)
※上限金利の範囲内で金融機関が自由に認定可能。借入金額が小さいほど金利は高く、大きくなるほど金利は低くなる傾向があります。
借入金の利息の計算方法
■ 利息 = 元金 × 利率 ÷ 365日 × 借入日数
(うるう年は366日で計算)
金利が「年〇%」と表示されていても、実際の利息は日割り計算で算出されます。元金に利率を掛けると1年分の利息が求められ、それを365日で割って1日あたりの利息を計算し、借入日数を掛けることで最終的な利息額となります。
【計算例】
◇ 年2.5%で2,000万円を借入し、3年後に返済する場合
→ 2,000万円×0.025÷365×1,095日=150万円
◇ 年6.3%で300万円借入し、5年後に返済する場合
→ 300万円×0.063÷365×1,825日=94万5,000円
借入金の返済方法
【一括返済】
借り入れた金額をまとめて一度に返済する方法。
利息を抑えられるメリットがありますが、資金調達のために借入した場合は資金が一気になくなるため、資金繰りが悪化すると黒字倒産のリスクがあることも念頭に置いておきましょう。
【分割返済】
借入金を分割して返済する方法で、次の2種類があります。
◆ 元金均等返済
・ 元金部分を一定額で返済していく方式
・ 返済当初は返済額が多いが、徐々に少なくなる
・ 利息が少なく、総返済額も少ないのが特徴
→ 元金返済額 = 借入金額÷返済回数
→ 利息返済額 = 残高×月利
→ 毎月返済額 = 元金返済額+利息返済額
◆ 元利均等返済
・ 毎月の返済額を一定にする方式
・ 当初の返済額は抑えられるが、利息負担が多く、総返済額は元金均等返済より多くなる
→ 毎月返済額 = (借入金額×月利×(1+月利)返済回数)÷(1+月利)返済回数-1
→ 利息返済額 = 残高×月利
→ 元金返済額 = 毎月返済額=利息返済額
金利や利息の注意点
■ 適用金利がいくらか
・金利は「2~3%」のように幅を持って表記され、実際の適用金利は2.5%や2.8%など条件によって変わる
・シミュレーションする際は、高めの金利も想定しておく
・利息制限法の上限を超える違法業者もあるため、利用は避ける
■ 返済計画は考えているか
・借入期間が長いと、毎月の返済額は少なくなるが総返済額は増える
・キャッシュフローが不安定なら長期返済、安定しているなら繰り上げ返済が有効
・借り換えは有利な条件に変更できることもあるが、取引関係への影響に注意
【利息計算にシミュレーションツールを活用する】
インターネット上には、借入金額・金利・期間を入力するだけで、毎月の返済額や利息、残高を自動計算できるシミュレーションツールがあります。
計算の手間が省け、返済計画を立てる際に便利に活用できます。ただし、シミュレーション結果には手数料や諸費用は含まれないため、実際の総支払額とは異なる場合があります。
正確な返済額を知りたい場合は、必ず金融機関に直接確認しましょう。
記事製作:経営革新等支援機関推進協議会