2019年10月から始まる軽減税率とは 対象商品や事業者への影響を解説

2019.01.30

税務トピックス

いよいよ2019年10月から消費税率の引き上げが開始されます。
現行の8%から10%の増税が行われる中で、一部の取引では軽減税率が適用され、現行の9%の税率を維持したまま取引を行うこととなります。
今回は、この軽減税率について対象となるものや、事業者への影響などを解説します。

軽減税率とは

軽減税率とは、2019年10月1日から開始される消費税の引き上げに伴い、生活必需品の税率を、従前の8%のままで維持するための制度です。
主に所得者の低い方に配慮した税制となります
軽減税率の対象となる商品は
・飲食料品
・新聞
です。
ただし、8%となる飲食料品、新聞には要件があります。

軽減税率の対象となる「飲食料品」とは

軽減税率の対象となる飲食料品のベースにあるものは、「食品表示法に規定する食品」です。
たとえばスーパーで購入した生鮮食品や加工品などは、軽減税率の対象となり、2019年10月からも現行の8%のまま購入することができます。
ただし全ての食品が軽減税率の対象となるわけではありません。
食品の中にも、軽減税率の対象外となるものが別に定められています。
この対象外となるものが、今回の軽減税率を理解する最もややこしく、かつ重要なポイントです。

軽減税率の対象とならない「飲食料品」とは

軽減税率の対象とならない主な「飲食料品」とは
・酒類
・外食
・ケータリング
・一体資産の一部
です。

軽減税率の対象とならない飲食料品1:酒類

酒類とは、アルコール分1度以上の飲料を指します。
ビールや日本酒といったお酒のほか、みりんや料理酒についても該当する場合があります。

軽減税率の対象とならない飲食料品2:外食

外食の定義は、「テーブル、いす、カウンター等の飲食に用いられる設備のある場所で行う、飲食料品を飲食させるサービス」とされています。

参照:政府広報オンライン「特集 消費税の軽減税率制度」
https://www.gov-online.go.jp/tokusyu/keigen_zeiritsu/taisyohinmoku/donna_gaishyoku.html

具体的には、レストランや居酒屋、ファストフード店内での飲食のほか、フードコートやコンビニなどに設置されたイートインスペースでの飲食も外食に該当し、軽減税率の対象外(10%課税)となります。

ただし、フードコートやファストフードなどで、飲食料品をテイクアウトした場合は、外食になりません。
テイクアウトした飲食料品は軽減税率の対象で、8%課税となります。
また出前や宅配は、単に飲食料品を届けるサービスに過ぎないことから、外食にはあたらず、軽減税率の対象となり、8%課税となります。

軽減税率の対象とならない飲食料品3:ケータリング

ケータリングの定義は、「顧客が指定した場所において行う、加熱、調理又は給仕等の役務を伴う飲食料品の提供」とされています。

参照:政府広報オンライン「特集 消費税の軽減税率制度」
https://www.gov-online.go.jp/tokusyu/keigen_zeiritsu/taisyohinmoku/donna_gaishyoku.html

外食は、飲食用の設備がある場所に消費者が出向いて受けるサービスですが、ケータリングとは、サービスの提供者が消費者のいるパーティ会場などに出張し、飲食を提供するサービスです。
外食と同様に、軽減税率の対象外(10%課税)となります。
ただし、有料老人ホーム等での食事提供サービスや、学校給食はケータリングにはあたません。

軽減税率の対象とならない飲食料品4:一体商品の一部

一体商品とは、おもちゃ付のお菓子など、軽減税率の対象となるもの(お菓子)と対象外のもの(おもちゃ) が一体となっている商品のことです。
一体商品は、原則は軽減税率の適用対象外(10%課税)となります。
しかしながら、次のいずれも満たすものは、軽減税率対象外の商品部分も含めて全体が軽減税率の対象となります。
・税抜き販売価額が1万円以下の商品
・その商品の食品から構成されている部分の価額の占める割合として、合理的な方法により計算した割合が3分の2以上のもの

参照:政府広報オンライン「特集 消費税の軽減税率制度」
https://www.gov-online.go.jp/tokusyu/keigen_zeiritsu/taisyohinmoku/ittai.html

端的に言うと、商品の価額が比較的少額な商品で、かつ商品のメインが飲食料品である商品であれば、軽減税率を認めるということです。

軽減税率の対象となる「新聞」とは

軽減税率の対象となる新聞は、定期購読契約が締結された週2回以上発行の新聞のことです。
したがって、売店やコンビニなどで販売される新聞は定期購読契約でないため、全て10%課税となります。

軽減税率による事業者への影響

2019年10月以降に税率が二分化することで、事業者にどのような影響ができるか、まとめてみました。

テイクアウト可の飲食店はシステム導入が必須

店内飲食と持ち帰りの両サービスを行う飲食店は、客の行動で税率が変わるややこしい状況となります。
税率を8%と10%の両方で計算できるレジスターの導入、消費者へのわかりやすいメニュー表示、スタッフの研修などが当面の課題といえます。
また、増税による客の行動の変化も多少は起こるでしょうから、売上の内訳の増減を分析するなど経営面の対応も必要となるでしょう。

飲食料品と雑貨などを販売する店舗もシステム導入へ

飲食料品や雑貨などを販売する店舗も、税率を8%と10%の両方で計算できるレジスターの導入やスタッフへの研修が必須です。
また、レジ横で販売されるガムやお菓子など、ちょっとした食品も8%課税となるため注意しましょう。

飲食料品を扱う事業者は税率の区分が必要に

飲食料品を扱う販売店、卸売店などの事業者は、請求書や領収書等の内容を、軽減税率対象取引と対象外取引に分けて、税率を区分して記載することとなります。
免税事業者であっても、課税事業者と取引をする以上は避けられません。
また課税事業者の経理では、8%課税の取引と10%課税の取引を分けて帳簿を作成する必要があります。

外食店の税負担

外食サービスを行う課税事業者は、売上については10%課税となり、仕入れる食材などの飲食料品は8%というアンバランスな課税となります。
理論上は、消費税額は消費者から預かっているお金なので、事業者の税負担が増える仕組みにはならないのですが、それでも差額として納税する金額は増加します。
このことから、体感的には税負担が大きくなるということは言えるでしょう。

まとめ

軽減税率の対象や事業者への影響をまとめました。
最も影響が大きいのは、2つの税率が混在するテイクアウト可の飲食店や飲食料品や雑貨を販売する店舗です。
こうした事業所は、軽減税率対策補助金についてご検討ください。
中小企業において、8%と10%の税率に対応するレジスターの購入費や、受注・発注システムの改修費が発生する場合は、その費用の一部が補助金の対象になります。
いずれも上限はありますが、原則として費用の3分の2が補助金の対象となります。
窓口は「軽減税率対策補助金事務局」です。

参照:政府広報オンライン
https://www.gov-online.go.jp/tokusyu/keigen_zeiritsu/support/reg_system.html